水戸を代表する和菓子に「水戸の梅」がある。餡を求肥(ぎゅうひ)で包み、その外側を赤紫蘇の葉でくるんだ一品だ。モチーフは偕楽園の梅。紫蘇のほのかな塩気と酸味が、餡の甘さを引き締める。
歴史は古い。大正時代には宮中にも献上された。全国菓子大博覧会では金賞を三度受けている。「水戸の梅」の名は登録商標で、水戸菓子工業協同組合に加盟する5社(井熊総本家、亀印製菓、あさ川製菓、木村屋本店、永井製菓)だけが名乗れる。各社で餡や紫蘇の塩加減に個性が出る。
「水戸の梅」と並ぶのが「吉原殿中(よしわらでんちゅう)」。きな粉と糖蜜で作る、棒状の素朴な菓子だ。さらに「のし梅」を加えた三品が、水戸の銘菓とされる。製造元のひとつ、亀印製菓は嘉永5年(1852年)創業の水戸藩御用達の老舗である。
これらは水戸駅ビルや市内の菓子店、各社の直売店で買える。日持ちもよく、土産に向く。偕楽園で本物の梅を眺めたあと、菓子の「梅」を持ち帰る。そんな楽しみ方もできる一品だ。