冬の大洗の主役は、あんこうだ。西の下関のふぐに対し、東の代表格とされる冬の味覚である。身、皮、肝、胃袋など「七つ道具」と呼ばれる各部位を余さず使い、鍋に仕立てる。ここでは大洗であんこう鍋を出す店を、特徴とともに整理する。あんこうの旬は例年11月から3月ごろ。11月には「大洗あんこう祭」も開かれる。
先に「どぶ汁」を説明しておく。あん肝を鍋で炒りつけ、水をほとんど使わず、あんこうと野菜から出る水分だけで煮込む。大洗の漁師が船上で作ったとされる濃厚な鍋で、通常のあんこう鍋よりさらに肝の旨みが強い。店によって「あんこう鍋(味噌・醤油仕立て)」と「どぶ汁」を出し分ける。
① 寿多庵(すだあん)|大正15年の割烹老舗
創業は大正15年(1926年)。手打ち蕎麦と割烹料理の老舗で、あんこう鍋も看板だ。スープは味噌から手作りし、あん肝をふんだんに溶いた濃厚仕立て。あんこうは店頭でさばく。老舗の設えで、腰を据えて冬の味覚を味わう店である。
住所:大洗町磯浜町(詳細は公式・地図で)/TEL:029-267-4611/営業:昼11:00〜14:30(土日〜15:00)、夜17:00〜20:30/定休:火曜・日曜夜/公式:寿多庵
② お食事処ちゅう心|鮮魚店直営、1人前から
創業65年余の鮮魚店が営む食事処。大洗と隣の那珂湊で揚がった天然魚を扱う。あんこう鍋はランチ・ディナーとも1人前から頼めるのが利点で、一人でも冬の味覚を試しやすい。鮮魚店直営ゆえ素材の鮮度が持ち味だ。
住所:大洗町磯浜町987/TEL:029-267-5134/営業:11:30〜14:00、17:30〜21:00/定休:火曜・月1回水曜
③ 旬の味 なかむら|冬季予約制のあんこう鍋
大洗・五反田の食事処。あんこう鍋は冬季の予約制で提供する。旬の地魚を軸にした献立で、鍋は事前予約で確実に押さえたい。落ち着いて食事をしたい日に向く。
住所:大洗町五反田232/営業:11:30〜14:00(LO13:00)、18:00〜22:00(LO19:30)/あんこう鍋:冬季・予約制
行く前に
あんこう鍋・どぶ汁は仕込みの都合で予約制・数量限定の店が多い。旬は冬に限られる。訪れる前に各店の公式・電話で提供時期と予約可否を確認するのが確実だ。大洗観光協会のサイトにも、あんこう料理を出す店の一覧がある。神磯の鳥居やアクアワールドと組み合わせれば、冬の大洗を一日で回れる。
参考・出典(各店公式・観光協会)